ポールの2回のワールド・ツアー
ポール・マッカートニーは、1989年から1990年代半ばにかけて2回のワールド・ツアーを敢行している。1回目が89年9月から90年6月にかけて行われたウイングス時代以来12年ぶりのツアーであり、2回目が1993年に実施されたワールド・ツアーである。
(1回目のツアーについては、用語集 [1]のページで紹介しているので、そちらを参照されたい。本項では、93年の2回目のツアーについて触れておこうと思う。なお、2002年のジャパン・ツアーについては「ポール・マッカートニー/ジャパン・ツアー2002」をご参照)
93年のツアーは、ポールがツアー・メンバーとともにレコーディングしたオリジナル・アルバム「オフ・ザ・グラウンド」("Off The Ground") のリリース直後にスタートしている。このアルバムは、同じくツアー・メンバーを中心に制作されたポールの「フラワーズ・イン・ザ・ダート」に続くスタジオ・ワーク作品としてリリースされたものだが、1回目のワールド・ツアーを経て、バンド・メンバー間の相互理解や信頼関係が深まったせいか、メンバー相互のコンビネーションやグループとしての一体感においては、前作とは比較にならないほどの成長ぶりをうかがわせている。
(メンバーの紹介についても、用語集 [1]のページを参照していただきたい。ドラマーがクリス・ウィッテンから元プリテンダーズのブレア・カニンガムに交代したほかは、すべて1回目のツアーと同じ顔ぶれである)
3年前のツアーと比較すると、さすがにステージ上でのポール個人の運動量 は幾らか落ちたように感じられるものの、ロック・バンドとしての一体感では前回のツアー以上のまとまりを見せ、各プレイヤーの落ち着いた演奏ぶりからも精神的なゆとりがうかがえるほどの堂々たるライブ・パフォーマンスであった。
前回のツアーと同じくレパートリーにはビートルズ時代のヒット曲が多く含まれているが、"Drive My Car" や "Paperback Writer" など意識的に前回とは異なるナンバーを取り上げているほか、アンプラグドによるアコースティック・ブームの盛り上がりを背景に "We Can Work It Out" 他の数曲をアコースティック・バージョンで披露するなど、新しい試みと工夫の跡が感じられるステージでもあった。
このツアーからのレコーディングは、ポール自らがプロデュースしたライブ・アルバム「ポール・イズ・ライブ」("Paul Is Live" 1993年リリース) として発表された。また、映像作品としては、劇場公開はされていないものの、ゴドレイ&クレーム(元10cc)を監督に起用した "Paul Is Live In Concert On The New World Tour" (1994年) がある。
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