ビートルズ特集


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プリテンダーズ/The Pretenders

 

 1978年に英国ロンドンで結成されたロック・バンド。結成時のメンバーは、クリッシー・ハインド (ボーカル、ギター)、ジェームズ・スコット (ギター)、ピート・ファーンドン (ベース)、マーティン・チェンバース (ドラムス) の4人。

 声量、表現力ともに豊かなボーカルの才能によってグループの看板シンガーとなったクリッシー・ハインドは、米国オハイオ州、アクロンの出身。20代でイギリスへ渡り、ニュー・ミュージカル・エクスプレスでライターとしての仕事を続けていた彼女は、1978年にオリジナル・メンバーとともにプリテンダーズを結成する。

 この年にリリースされたデビュ−シングル "Stop Your Sobbing" (キンクスのデビュー・アルバムからのカバー曲である)、及び、続いてリリースされた "Kid""Brass In Pocket" がいずれもUKチャートの上位 へランクインするヒットとなったプリテンダーズは、1980年に、これらのヒット・シングルを含むファースト・アルバム "Pretenders" (日本盤のタイトルは「愛しのキッズ」) を発表し、このアルバムもまた、英国のアルバム・チャートで第1位 を獲得するなどの大きな成功を収める。

 1981年には、デビュー・アルバムに続いてパンク&ポップ路線を踏襲するセカンド・アルバム "Pretenders II" を発表するが、このアルバムもまたチャートの上位 入りを果たし、新進ロック・バンドとしてのプリテンダーズの人気は、英米両国で確立されることとなる。

 1983年には、ドラッグ依存症を理由に解雇されたピート・ファーンドン、ドラッグの過剰摂取が原因で急逝したジェームズ・スコットに代わり、新メンバーとしてロビー・マッキントッシュ (ギター) とマルコム・フォスター (ベース) がグループに加わる。このメンバー交代によって、一段とポップな傾向を増したプリテンダーズは、アルバム "Learning To Crawl" (1983年) をリリースして、グループとしての再出発をはかることになる。

 その後、さらなるメンバー交代とともに、新たな音楽性を打ち出すべく発表されたアルバムが1986年リリースの "Get Close" である。このアルバムには、スマッシュ・ヒットとなったバブルガム・ポップ風のシングル・ナンバー "Don't Get Me Wrong" のほか、パンクの影響をうかがわせるハードなディスコ・ナンバー "Dance" や、ポップなセンスの中にもソウル・フレイバーが漂う "I Remember You"、また、サイケデリック・ロックとも言うべきジミ・ヘンドリックスのカバー "Room Full of Mirrors" など、バラエティに富む楽曲が並んでいる。

 なお、このアルバムからメンバーに加わった黒人ドラマーのブレア・カニンガムは、ポール・マッカートニーの2回目のワールド・ツアーの同行メンバーでもある。"Get Close" でバンド・メイトとなったロビー・マッキントッシュが、彼をポールへ紹介したのであろうか。また、同様に、このアルバムでピアノを弾いているウィックスも、キーボード奏者としてポールの2回のワールド・ツアーにいずれも参加している。やはりロビーの紹介であろうと想像される。

 クリッシー・ハインド率いるプリテンダーズは、90年代に入ってしばらく沈黙を守っていたが、1995年のライブ・アルバム "Isle of View" に続き、1999年には久方振りの新作アルバム "Viva el Amor" をリリースして活動を再開した。リズム・ボックス頼みの機械的なリズム感が好まれる昨今のロックシーンを背景に、ポップかつストレートなロックンロールを表現し続けてきたプリテンダーズがどのような音楽を展開していくのか、今後の活躍が楽しみである。

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