テイク・イット・イージー | |
イーグルス |
なごみ
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ダンス
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ソウル
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原題 | Take It Easy |
リリース | 1972年 |
作詞・作曲 | ジャクソン・ブラウン、グレン・フライ |
プロデュース | グリン・ジョーンズ |
演奏時間 | 3分28秒 |
収録アルバム | 「イーグルス・ファースト」(アサイラム/1972年) |
ミュージシャン | グレン・フライ(ギター、キーボード、ボーカル)、バーニー・リードン(ギター、バンジョー、ボーカル)、ランディ・マイズナー(ベース、ギター、ボーカル)、ドン・ヘンリー(ドラムス、ボーカル)、ドン・フェルダー(ギター、オルガン)、デヴィッド・サンボーン(アルト・サックス)他 [曲別 のクレジットがないためアルバム全体のクレジットを転記] |
[レビュー]
イーグルスは、カントリー・ロック主体のロック・バンドとしてデビューした後、一部のメンバー交代を経て、よりハード・エッジなポップ・ロック・バンドへ転身し、その両方の音楽スタイルで大きな成功を収めたロック史上でも稀にみる人気と実力を兼ね備えたロック・グループである。
イーグルスは、1971年に米国ロサンゼルスで結成される。オリジナル・メンバーは、ポコでプレイしていたランディ・マイズナー(ベース)、フライング・ブリトウ・ブラザーズに参加していたバーニー・リードン(ギター、マンドリン他)、J.D.サウザーとのデュオですでにプロ・デビューを果 たしていたグレン・フライ(ギター、ボーカル)、そしてドラマー兼シンガーのドン・ヘンリー(ドラムス、ボーカル)の4人である。
彼らが知り合ったきっかけは、1971年にリンダ・ロンシュタットが実施したサマー・ツアーのバックアップ・メンバーとして全員が招集されたことにある。その後、1972年の初めにリリースされたリンダのサード・アルバム「リンダ・ロンシュタット」のレコーディングでも顔を揃えた4人は、これを機に意気投合し、イギリスへ渡って英国人プロデューサー、グリン・ジョーンズのアドバイスのもとでイーグルスとしてのデビュー・アルバム「イーグルス・ファースト」を作り上げる。
(リンダのサード・アルバム「リンダ・ロンシュタット」が日本で発売された際には、「リンダ・ロンシュタット・ウィズ・オリジナル・イーグルス」の日本語タイトルが付けられた。また、グリン・ジョーンズは、ローリング・ストーンズの初期の多くのアルバムでエンジニアやプロデューサーを務めたほか、フェイセズやハンブル・パイのアルバム・プロデュースでも知られるブリティッシュ・ロックの立役者の一人である)
本ナンバー「テイク・イット・イージー」は、イーグルスのデビュー・アルバム「イーグルス・ファースト」からシングル・カットされて全米チャートのトップ10入りを果 たした彼らの記念すべきデビュー・シングルである。
曲は、爽やかな印象を放つギターの重奏でスタートし、エレクトリック・ギターの特徴あるフレーズに導かれてグレン・フライが軽やかに歌うボーカル・パートへと引き継がれる。メイン・ボーカルに複旋律を重ねる2声のコーラス部分や曲の後半を彩 るバンジョーの速弾きによるアルペジオ風の伴奏からはカントリー・ロックの色彩が豊かに感じられるが、その一方で、伝統的なカントリーではほとんど聴かれることのない複雑なラインで独特の躍動感を生み出すベース・プレイからはより新鮮なロックンロールの響きを感じ取ることができる。
米国のルーツ・ミュージックとしてのカントリーにとどまらずブリティッシュ・トラッド風の香りさえ漂わすバック・コーラスのアレンジ(2声部分ではなく主にバッキング・コーラスのパート)も含め、本ナンバー「テイク・イット・イージー」は、ポコやフライング・ブリトウ・ブラザースから受け継ぐカントリー・ロックの流れを汲みながらも、これに新感覚とも言うべきアグレッシブなロックの躍動感を加えることで、70年代に華麗に花開くウエストコースト・ロックの源流を生み出す名曲になり得たと言えるのではないだろうか。
[モア・インフォメーション]
イーグルスのデビュー・アルバム「イーグルス・ファースト」は、「テイク・イット・イージー」のほかにも「魔女のささやき」と「ピースフル・イージー・フィーリング」の2曲のシングル・ヒット・ナンバーを生み出し、カントリー・ロックを主軸に据えた当時のイーグルスの音楽性を強く打ち出すとともに、彼らのその後の成功を確信させるかのような幸先のよいデビュー作となった。
その後のイーグルスは、1973年にセカンド・アルバムの「デスペラード」(1973年/"Desperado")をリリースしてカントリー・ロック調の作風をさらに深化させていく。このアルバムからは「テキーラ・サンライズ」("Tequila Sunrise")のヒット・シングルが生まれたほか、深い叙情性をともなう美しいバラッド・スタイルのアルバム・タイトル曲がファンの人気を集めた。
イーグルスは続いてサード・アルバムの「オン・ザ・ボーダー」(1974年/"On The Border")を発表するが、このアルバムからギタリストのドン・フェルダーが正規のメンバーに加わったほか、フェルダーを介して知り合ったビル・シムジクがプロデューサーに起用され、サウンド面 においてもよりシャープかつポップなロック色を強める。
イーグルスのサウンド・クオリティにおける変化は、彼らの5枚目のオリジナル・アルバムとしてリリースされた「ホテル・カリフォルニア」(1976年/"Hotel California")においてより顕著となった。グループを脱退したバーニー・リードンに替わって新たに迎え入れられたジョー・ウォルシュ(ギター)とともに制作された「ホテル・カリフォルニア」は、新生イーグルスのロック・サウンドを存分にアピールするとともに70年代を代表する傑作ロック・アルバムとしての評価を確立する。
また、このアルバムからシングル・カットされた表題作「ホテル・カリフォルニア」は米国のみならず世界的なヒットを記録し、日本国内においてもロック・ファンにとどまらない幅広い層のリスナーに愛されるスタンダード・ナンバーになっている(77年のグラミー賞をレコード部門で受賞)。なお、イーグルスが、1998年にロックの殿堂入りを果 たしていることを最後にお伝えしておきたい。
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