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［グラミー賞について］
”グラミー賞とは？”
グラミー賞とは、ナショナル・アカデミー・オブ・レコーディング・アーツ＆サイエンス（National Academy of Recording Arts & Science. 以下「アカデミー」と略す）が主催するアワードのことで、各年度ごとに、表彰の対象として設けられた部門別 に受賞者が決定される。主催団体のイニシャルを冠した「ＮＡＲＡＳアチーブメント・アワーズ」が正式名称だが、受賞者に蓄音機（グラモフォン）の形をしたレプリカが贈られることから一般 にグラミー賞と呼ばれるようになった。
グラミー賞の歴史は、1957年の米国ハリウッドでその幕を開ける。この年の５月にハリウッドのレストランに集まった大手レコード会社のエグゼクティブ達が、音楽業界において優れた作品を創り上げたクリエイターの業績を讃えるとともに業界全体の振興と支援を目的とするアワードの設置を呼び掛け、これがきっかけとなって1958年にアワードの授与がスタートしている。
スタート当初は、最優秀レコード、最優秀アルバム、最優秀楽曲の３部門のみが受賞対象だったが、翌年の59年に最優秀新人部門が新たに設けられ、その後はロック部門、Ｒ＆Ｂ部門、カントリー部門などのジャンル別 の受賞対象が追加されるなど、対象部門の増加を続けて現在に至っている。
”受賞者決定のプロセス”
グラミー賞の受賞者は、アカデミー会員の投票によって決定される。現在16,000人を超えると言われるアカデミー会員は、いずれもアカデミーが定める一定の条件を満たしたソング・ライター、プロデューサーなどの音楽クリエイターである。また、受賞者の選考基準は、ヒット・チャート等のコマーシャルな成功とは関わりなく、その作品の芸術性にあると言われる。
会員の投票は２回にわたって実施され、最初の投票によって各部門５名までの受賞候補者がノミネートされる。２回目の投票によって各部門の受賞者が最終的に決定されるが、この２回の投票は、その基準の客観性を保持するために、主要４部門（最優秀レコード、最優秀アルバム、最優秀楽曲、最優秀新人）を除き、各メンバーの専門分野として予め認められた限定的な部門のみを対象として行われる。
また、投票の公正さを確保するため、２回の投票結果はいずれも独立の監査法人によって集計され、最終の投票結果 は、受賞セレモニーの当日に監査法人より封印した手紙の形式でセレモニー会場へ届けられる。
”受賞者リスト”
SWING ARTでは、グラミー賞の発足時より設けられていた主要な３部門（最優秀レコード、最優秀アルバム、最優秀楽曲）について第１回の1958年から1980年までの受賞者を掲載するとともに、1959年から新たにスタートした最優秀新人部門の受賞者につき初年度から1980年まで紹介している。（さらに、1967年にスタートしたＲ＆Ｂ部門の受賞リストを追加）
受賞者の顔ぶれを見ると、ハリウッドに端を発したプロジェクトのためか、スタート直後は映画音楽の関係者が圧倒的に多く、６０年代の後半からロック・ミュージック関係の受賞者が急増していることがわかる。フラワー・ムーブメントの隆盛と時機を同じくして、ロック・ミュージックが音楽業界におけるステータスを確立していく様子を物語るかのようである。
個別の受賞者としては、1970年に「明日に架ける橋」で主要３部門を独占したサイモン&ガーファンクルがひときわ目を引く。その後の受賞者の中では、1980年にクリストファー・クロスがアルバム「南から来た男」とシングル「セイリング」で、また、1992年にエリック・クラプトンがアルバム「アンプラグド」とシングル「ティアーズ・イン・ヘヴン」で、それぞれトリプル・クラウンを達成している。（クリストファー・クロスは1980年の最優秀新人も受賞しているため、この年の主要４部門を独占している）
なお、グラミー賞についてさらに詳しい情報を知りたい方には、以下のドメインでアカデミーのウェブサイトを訪れることをお薦めしたい。
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