A Hard Day's Night (1964) | |
1. | A Hard Day's Night (Lennon & McCartney) |
2. | I Should Have Known Better (Lennon & McCartney) |
3. | If I Fell (Lennon & McCartney) |
4. | I'm Happy Just To Dance With You (Lennon & McCartney) |
5. | And I Love Her (Lennon & McCartney) |
6. | Tell Me Why (Lennon & McCartney) |
7. | Can't Buy Me Love (Lennon & McCartney) |
8. | Any Time At All (Lennon & McCartney) |
9. | I'll Cry Instead (Lennon & McCartney) |
10. | Things We Said Today (Lennon & McCartney) |
11. | When I Get Home (Lennon & McCartney) |
12. | You Can't Do That (Lennon & McCartney) |
13. | I'll Be Back (Lennon & McCartney) |
Produced by George Martin
[アルバム概論]
リチャード・レスター監督(12) による同名映画の撮影と並行して制作されたこのアルバムは、ビートルズ初の全曲オリジナル、というよりも、全曲がレノン=マッカートニー作品で埋め尽くされた最初で最後の公式アルバムである。
録音技術のうえで、アルバムとしては初めて4トラックのレコーダーが導入されたことにより、ほとんどのボーカル・パートがダブル・トラック、または、トリプル・トラックでレコーディングされるなど、サウンド面で一層の成長の跡をうかがわせることとなった。
このアルバムから受ける最大の印象は、すでに述べたとおり、録音技術の進歩がもたらした曲作りにおける表現手段の広がりである。ただし、ビートルズが、新しい技術をその目新しさの故に使っているわけではなく、技術がもたらす可能性を完全に把握したうえで、自らの表現手段における一つの選択肢として利用しているに過ぎないことに着目すべきである。
「ライブ・パフォーマンスとして再現できないものはロックではない」という意見があるが、この論理を貫くならば、このアルバムに収録された曲の大半はロックとは呼べないことになる。実際に収録曲のライブ音源を聴くと、ライブとしての制約上、スタジオでレコーディングされたテイクとは異なるアレンジを強いられているケースが多く、極論すれば、当時のビートルズ・ナンバーにはスタジオ録音用とライブ用の二つのバージョンが存在していたことになる。
ビートルズの各メンバーが、コンサート活動を前提とするがゆえの作曲上の制約に対して強いストレスを感じていたことは様々な資料からも明白であり、録音技術の向上を含む環境の変化によって、彼らの関心が純粋な音作りへ向かうことは当然の帰結でもあった。このように考えると、ビートルズの初期、または、中期における最高傑作と評されることの多い本作は、それと同時に、真の黄金時代の到来を予告するプロローグでもあったと言い得るであろう。
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