タイトル | 人間ジョン・レノン |
著者 | マイルズ編 小林宏明訳 |
発行 | シンコー・ミュージック (文庫版) 1986年 |
ジョン・レノンが自らの言葉で語る自身の少年時代、ビートルズの結成、レコードデビューとその後の快進撃、ヨーコとの出会い、ビートルズの解散とソロ活動などをインタビューからの抜粋をもとにまとめあげたジョン・レノン発言録。とりわけ、ファンの間では議論の絶えないビートルズの解散劇について、一方の当事者であるジョンの言葉で語られる内容は興味深い。
また、凶弾に倒れる直前のインタビューで自らの死について語っていた事実は、暗示的と呼ぶにはあまりにも生々しいが、一方で、このときのジョンが未知の運命をアクセプトできる心境にあり、かつ、その重要性を周囲に説く発言を同時に行っていた点について見落とすと、このエピソードは、スーパースターの悲劇にありがちな伝説の一つとして片付けられてしまう虞れがある。
タイトル | 愛と芸術 革命家ジョン・レノン |
著者 | アントニー・フォーセット著/江口大行訳 |
発行 | シンコー・ミュージック (文庫版) 1987年 |
評論家であるとともに、ジョン・レノンとオノ・ヨーコの共通 の友人であり、また、おそらくジョンの熱烈なファンでもあったと思われる著者が1976年に発表した "One Day At A Time" の邦訳である。
ジョンがヨーコからの影響を顕著に受け始めた1968年から、息子ショーンが誕生する1975年までのジョンとヨーコの活動に焦点があてられている。著者がレノン・サイドの人物であることを割り引いて読む必要があるものの、とりわけ英米のファンには批判されがちなヨーコの存在を、ジョンのパートナーとしての側面からクローズアップしている点について評価したい。
言うまでもないことだが、原書のタイトルは、ジョンのソロ・アルバム「マインド・ゲームズ」(1973年リリース) に収録の曲名から採られたものである。「革命家」という邦題には、やや違和感を感じる。
タイトル | ポール・マッカートニー 愛と音楽 |
著者 | クリス・ウェルチ著/野間けい子訳 |
発行 | シンコー・ミュージック 1985年 |
ビートルズの解散後、「元ビートルズ」の看板を誰よりも高く掲げ、ファンの期待に応えるべく最大限の努力を続けてきた人物がポールであることに疑問の余地はない。本書は、ポールの人物と音楽を紹介すべく、1984年に出版された "PAUL McCARTNEY / The Definitive Biography" の邦訳である。
ポールの生い立ち、ビートルズの結成と解散を経てソロ活動に至るいきさつ、ウィングスでの活動までが綴られているが、 比重としては、ウィングスを含めたソロ活動に割かれるページ数が圧倒的に多い。ポールに対しておおむね好意的な記述が多く (序文には「偉大な "McC" へ捧げる」とある)、ビートルズ解散の事情についてもかなり簡略化して描かれるため、本書だけに目を通 す読者の誤解を招きかねないようにも感じられる。
余談だが、「永久にイエスタデイを歌い続けるのか」という著者の批評に対してポールが激怒したというエピソードからは、誰にもできない偉業を成し遂げながら、さらにその続きを要求される天才アーティストの苦渋が垣間見えるかのようである。
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