ワンダフル・トゥナイト | |
エリック・クラプトン
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なごみ
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ダンス
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ソウル
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原題 | Wonderful Tonight |
リリース | 1977年 |
作詞・作曲 | エリック・クラプトン |
プロデュース | グリン・ジョーンズ |
演奏時間 | 3分40秒 |
収録アルバム | 「スローハンド」(ポリドール/1977年) |
ミュージシャン | エリック・クラプトン(ボーカル、ギター)、ジョージ・テリー(ギター)、
カール・レイドル (ベース)、ジェイミー・オールデイカー(ドラムス)、ディック・シムズ(キーボード)、 イヴォンヌ・エリマン (コーラス)、マーシー・レヴィ(コーラス) |
[レビュー]
パーティへ来ていく服を選ぶ恋人のパティを待つ間に、ギターをつま弾いていたら作曲できてしまったというあまりにも有名なエピソードとともに知られるエリック・クラプトンの代表曲。
幸福な実生活がアーティストからその生来の鋭さを奪い、凡庸な作品を作らしめるケースが少なくない中で、この曲は、作曲者自身の幸福感が、そのまま作品のテーマとして聴き手側に深く共感されたという数少ない例の一つと言える。そして、それを可能にしたものは、自らのプライベートな感覚を何のてらいもなく楽曲の中へ織り込んで素直に歌い上げたクラプトンの音楽家としての真摯さであろう。
(この曲の歌詞に使われる動詞はすべて現在形で書かれているが、それゆえに、歌われる情景の臨場感がドラマティックに高められるという効果 が生まれている。クラプトンは、この曲を歌うたびに歌の内容を自ら追体験しているのではないかとも思えるほどである)
曲は、クリアなサウンドの中にも独自の甘さをたたえるクラプトンのギター・リフを中心に展開するが、これをムーディなプレイでバックアップするサポート・メンバーの活躍も見逃すべきではない。とりわけ、サビの部分でクラプトンのボーカルへハーモニーを重ねる女性コーラスの美しさは、この曲のハイライトの一つとして印象に残る。
バックのメンバーは、そのほとんどが「461オーシャン・ブールバード」(1974年) 以来のお馴染みの顔ぶれであり、当時のクラプトンは「お互いをわかり過ぎているために緊張感を欠く」との不満を漏らしていたとも伝えられるが、この曲に限っては、十分なコミュニケーションによるバンド全体の安定感が、リラックス・ムードに包まれたこの曲の幸福感を生み出すうえで大きな効果 をあげているように思われる。
クリームやドミノスの頃のヘヴィなブルース・ロック時代を支持するファンにとってはやや軟派すぎるナンバーかもしれないが、反面 、80年代の「ホーリー・マザー ("Holy Mother")」や90年代の「ティアーズ・イン・ヘヴン ("Tears In Heaven")」など、その後に何度も繰り返されるクラプトンのバラッド・スタイルにおける黄金パターンを創り出すきっかけになった作品としても印象深い。その意味でも、「ワンダフル・トゥナイト」はクラプトン本人にとって意義深いナンバーであるのみならず、ロック・スタンダードの一つとして欠かせない名曲とも言い得るであろう。
[モア・インフォメーション]
「ワンダフル・トゥナイト」は、そのオリジナル・バージョンのみならず、80年代末以降のコンサートで披露されたライブ・バージョン (導入部にキーボードとギター・ソロを追加。全体的にテンポを落としてよりムーディなアレンジとなった) もファンの間で人気が高い。
このライブ・バージョンは、アルバート・ホールでのコンサートを収録したライブ・アルバム「24ナイツ」(1991年) の中で聴けるほか、1990年に日本のみの限定企画としておこなわれた元ビートルズのジョージ・ハリスンとのジョイント・ツアーでも演奏された。一方、オリジナル版の「ワンダフル・トゥナイト」が収録されたアルバム「スローハンド」には、「アフター・ミッドナイト」のオリジネイターでもあるJ・J・ケイルのカバー「コカイン」が含まれている。この曲も今やクラプトン・スタンダ−ドの一つであり、ステージでも必ず取り上げられる定番ソングである。
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