サンシャイン・ラヴ | |
クリーム |
なごみ
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ダンス
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ソウル
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原題 | Sunshine Of Your Love |
リリース | 1967年 |
作詞・作曲 | エリック・クラプトン、ジャック・ブルース、ピート・ブラウン |
プロデュース | フェリクス・パパラルディ |
演奏時間 | 4分10秒 |
収録アルバム | 「カラフル・クリーム」(ポリドール/1967年) |
ミュージシャン | エリック・クラプトン(ギター、ボーカル)、ジャック・ブルース(ベース、ボーカル)、ジンジャー・ベイカー(ドラムス) |
[レビュー]
ヤードバーズ、ブールスブレイカーズでギタリストとして活躍したエリック・クラプトンは、グラハム・ボンド・オーガニゼーションのベーシストを務めていたジャック・ブルース、同じくドラマーのジンジャー・ベイカーとともにクリームを結成する。いずれ劣らぬ 高度なテクニシャンが顔を揃えたクリームは、デビュー前からスーパーグループとして大きくメディアに取り上げられ、デビュー・シングルの「包装紙」(1966年)とデビュー・アルバムの「フレッシュ・クリーム」(1966年)がいずれも好調なセールスを記録するなど華々しいスタートを切った。
続く1967年にセカンド・アルバムの「カラフル・クリーム」を発表したクリームは、特定のプロデューサーを設けなかったことでアルバム全体の焦点がぼやけたデビュー作の経験を踏まえ、フェリクス・パハラルディをアルバム・プロデューサーに迎えるとともに、後にクラプトンのソロ・キャリアにも大きな影響を与えるトム・ダウドをエンジニアに起用して、グループとしての強固なサウンドの確立を図る。
その結果、「カラフル・クリーム」は、クリームがその音楽性を確固たるものとし、「ストレンジ・ブルー」と「サンシャイン・ラヴ」の2曲のメジャー・ヒットを含むロック史上の傑作アルバムの一つとして高い評価を受けることとなった。(エリック・クラプトン自身が、クリームの解散時に「グループの最も良かった時期は「カラフル・クリーム」の頃だ」と発言している)
本ナンバー「サンシャイン・ラヴ」は、「カラフル・クリーム」からのセカンド・シングルとしてリリースされ、イギリスのチャート・アクションで第25位 へ上昇、また、全米のヒット・チャートでも第5位へランク・インするなど、後の「ホワイト・ルーム」(1968年)とともにクリームを象徴する名曲の一つとして多くのファンに支持される彼らの代表曲である。
曲は、ジャック・ブルースのベースとクラプトンのギターによるユニゾンのリフで始まり、間を空けることなくジンジャー・ベイカーのドラムスが加わってトリオ編成のアンサンブルとなる。やがて、ジャック・ブルースとクラプトンの掛け合いによるボーカル・パートがスタートするが、ボーカル・ラインが主旋律を構成する通 常のロック・ナンバーとは異なり、繰り返されるリフが曲のアウトラインをパワフルに作り上げる一方で、ボーカル・パートはそのリフに対してあたかもオブリガートのように挿入されていく。
そもそもエリック・クラプトンがクリームの結成を思い立ったきっかけは、単純な黒人ブルースのコピーに依存するギター・プレイの限界の打破を目指してクラシックやジャズのバックグラウンドを持つジャック・ブルース、ジンジャー・ベイカーとの競演的なプレイに踏み切ったことにある。その意味で、曲の構造そのものが従来のブルース・ロックの枠組みでは捉え切れない本ナンバー「サンシャイン・ラヴ」は、クリーム結成の背景にあったクラプトンの音楽上のチャレンジがその成果 を見事に生み出した好例の一つと考えてよいだろう。
また、曲の構造のみならず、シンプルだが力強く繰り返されるリフとドラム・プレイ、切れ味鋭いジャック・ブルースと独特の柔らかさを表現するクラプトンとの対称的なボーカル・デュオ、さらには必要以上の派手さを感じさせないもののしなやかなシルクの如き美しさを紡ぎ出すインスト・パートでのクラプトンのギター・ソロなど、「サンシャイン・ラヴ」はクリームを代表するナンバーであるとともに、時代を超越してファンに愛され続けるロック・クラシックとしての魅力を十分に備えた名曲と言えるだろう。
[モア・インフォメーション]
「カラフル・クリーム」は、「サンシャイン・ラヴ」に加え、このアルバムからのファースト・シングルとなった「ストレンジ・ブルー」(全英チャートで第17位 )、後にクリームのステージ・レパートリーとしてお馴染みとなる「英雄ユリシーズ」や「テイク・イット・バック」など彼らの代表的なナンバーを多く含み、文字どおりクリームの音楽性を確立したセカンド・アルバムとなった。
さらにクリームは、1968年に傑作と名高いLP2枚組のアルバム「クリームの素晴らしき世界」(原題は "Wheels Of Fire")を発表する。スタジオ録音盤と米国ツアー時のライヴ録音盤を組み合わせた「クリームの素晴らしき世界」には、「ホワイト・ルーム」、「スプーンフル」(原曲はシカゴ・ブルースの巨人、ウイリー・ディクスン)、「クロスロード」(原曲はロバート・ジョンソン)などのロック史上に残る名曲、名演が数多く含まれている。
人気、実力ともに当時のブリティッシュ・ロック・シーンの頂点を極めたかに思えたクリームだが、彼らは1969年3月にリリースされたアルバム「グッバイ・クリーム」を最後にグループの解散を表明する。高度なテクニックと豊かな創造性に加え、メンバー各自がミュージシャンとしての強烈な自我を主張し合うことで成り立っていたクリームの音楽は、実質的なリーダーの不在というグループとしての存続の危うさとつねに表裏の関係にあった。短命のうちにその活動の幕を閉じるというクリームの運命は、彼らが音楽の革新性を追求し始めたときに、すでに定められていたのかもしれない。
なお、クリームは1993年にロックの殿堂入り(The Rock and Roll Hall of Fame)を果たしている。
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