ビートルズ特集


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ザ・アニマルズ/The Animals

 

 1963年に英国ニューキャッスルで結成されたロックグループ。オリジナルメンバーは、エリック・バードン (ボーカル)、アラン・プライス (キーボード)、ヒルトン・バレンタイン (ギター)、チャス・チャンドラー (ベース)、ジョン・スティール (ドラムス) の5人。黒人音楽からの影響が顕著なエリック・バードンのボーカルとアラン・プライスのソウルフルなオルガン・プレイを二枚看板として、60年代の半ばに多くのヒット曲を残した。

 オルガニストのアラン・プライスとボーカリストのエリック・バードンを中心に結成されたアニマルズは、セルフ・プロデュースによって制作したEPレコードを足掛かりに、ブリティッシュ・ブルース・ロック界の立役者の一人であるグラハム・ボンドに注目されるグループとなり、クロウダディ・クラブ (ロンドンにあった当時のビッグクラブ。ローリング・ストーンズが飛躍のきっかけを掴んだことでも知られる) のオーナー、ジョルジュ・ゴメルスキーへ紹介される。

 ゴメルスキーに認められ、クロウダディ・クラブへ出演することとなったアニマルズは、プロデューサーのミッキー・モストと出会い、彼の尽力によってEMIコロンビアからデビューシングルの "Baby Let Me Take You Home" (1964年) をリリースする運びとなる (この曲は、エリック・フォン・シュミットのブルース・ナンバー "Baby Let Me Follow You Down" からの改作バージョンである。なお、原曲は、1962年にリリースされたボブ・ディランのデビューアルバム「ボブ・ディラン」の中でも取り上げられている)。

 デビュー曲が全英チャートの第19位にランクインするヒットとなったアニマルズは、1964年の6月にセカンドシングルの「朝日があたる家」(原題は "The House Of The Rising Sun") をリリースする。この曲もボブ・ディランのデビューアルバムで取り上げられていたため、ディランの影響下での選曲ということが長く言われ続けたが、最近になって、この選曲はディランではなく、このトラッド・ナンバーを歌ったジョシュ・ホワイトの影響によるものとの説が有力視されている。
 
 ギターとオルガンによって繰り返されるシンプルだが印象的なリフに乗せて、エリック・バードンのソウルフルなボーカルで歌われる「朝日のあたる家」は、イギリスとアメリカの双方でチャートの第1位 を獲得する大ヒットとなった。この曲を皮切りに、アニマルズは、ニーナ・シモンの「悲しき願い」(原題は "Don't Let Me Be Misunderstood") や、プライス=バードン名義による初めてのオリジナルナンバー "I'm Crying" などのヒット曲を連続して生み出し、リバプールのビートルズ、ロンドンのローリング・ストーンズに対するニューキャッスル出身のロックグループとして、ブリティッシュ・ロックのメインストリームを担うバンドの一つへと成長を遂げる。

 しかしながら1965年以降にはメンバーの離反が相次いだため、60年代の後半に新メンバーによるエリック・バードン&ニューアニマルズがスタートするが、ブルース色が薄れたうえにサイケデリックな傾向が顕著となり、64年当時のオリジナルメンバーによるアニマルズと同列で語ることは難しくなっている (この時期には「スカイ・パイロット」のようなヒットシングルも出たが、ジェットサウンドを模したリズムトラックやバグパイプの音を用いたアバンギャルド風のコーダなどサイケ色が濃厚である)。

 1976年と1983年の2回にわたり、アニマルズはオリジナル・メンバーによって再結成されているが、いずれも短期間の活動にとどまり、83年に行われたワールドツアーを最後にグループとしてのキャリアには終止符が打たれたかのようである。

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