サティスファクション | |
ザ・ローリング・ストーンズ |
なごみ
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ダンス
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ソウル
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原題 | (I Can't Get No) Satisfaction |
リリース | 1965年 |
作詞・作曲 | ミック・ジャガー&キース・リチャーズ |
プロデュース | アンドリュー・ルーグ・オールダム |
演奏時間 | 3分45秒 |
収録アルバム | 「アウト・オブ・アワ・ヘッズ (USバージョン)」(ポリドール/1965年) |
ミュージシャン | ミック・ジャガー(ボーカル)、キース・リチャーズ(ギター)、ブライアン・ジョーンズ(ギター)、ビル・ワイマン(ベース)、チャーリー・ワッツ(ドラムス)、ジャック・ニッチェ(パーカッション) |
[レビュー]
1965年にリリースされ、全米のシングルチャートで第1位を獲得したローリング・ストーンズのヒット・ナンバー。
ファズ・ボックスを用いたキースのギター・リフ、これに付き従うように加わるベースとドラムス、さらには細かい3連打でアクセントを重ねるタンバリンによって構成されるリズム・セクションが、この曲の印象を決定づける。
ミックのやや押さえ気味のボーカルによって幕を開ける主題部分では、キースのギター・リフに代わってブライアンのリード・ギターがミックのボーカルとのツイン・リードを形成する。この曲で聴かれるブライアンのギターには、いつものような独特の粘っこさは感じられず、圧倒的なリズム・トラックに追い上げられるかのように切れ味の鋭いギター・プレイに徹している。
展開部からサビに至る部分では、再びキースのギター・リフが登場してイントロのリズム・トラックに戻り、このリズム・セクションが叩き出す軽快なロック・ビートに乗せて、ミックが感情を炸裂させるかのようなシャープで力強いロック・ボーカルを展開していく。曲は、主題部分とサビの部分を交互に繰り返しながら進むが、サビを構成するリズム・トラックとこの部分でのミックのボーカル・パートが聴き手に強烈な印象を与える。
この曲は、キースのギター・リフと、表現力豊かでダイナミックなミックのボーカルというストーンズの両輪がそろってその存在感を際立たせたという意味で、ストーンズがその後に生み出すこととなる多くの名曲の原点をなす作品と言ってよいであろう。名実ともに初期のストーンズを代表するナンバーの一つであるとともに、ストーンズの創作活動におけるターニング・ポイントとなった作品と考えられる。
この曲のリリース以前に「ノット・フェイド・アウェイ」や「イッツ・オール・オーバー・ナウ」ですでにシングル・ヒットを記録していたストーンズではあるが、これらの曲は、いずれもバディ・ホリーや黒人ミュージシャンからのカバー・バージョンであった。また、ストーンズにとって初の自作によるヒット・ナンバーとして知られる「ラスト・タイム」(1965年) は、ミックとキースによる共作とクレジットされたにもかかわらず、サビの部分はステイプル・シンガーズ作品からの借り物に過ぎなかった。
「ラスト・タイム」に続いて同年にリリースされた「サティスファクション」は、ミックとキースがそのオリジナリティを強くアピールした初めての作品であり、この曲の英米両国における大ヒットは、ミックとキースの二人に作曲家コンビとしての確固たる自信をもたらしたに違いない。すなわち、この曲の成功が、その後のストーンズへ繋がる彼らの創作活動の原点を生み出すとともに、ミックとキースのコンビが前面 へ出ることによってブライアンの居場所を奪うというストーンズの歴史の必然を促すきっかけになったとも結論づけられるのではないだろうか。
[モア・インフォメーション]
「サティスファクション」のカバー・バージョンとして最もよく知られる作品は、1966年発表のオーティス・レディングによるカバーであろう(アルバム「オーティス・ブルー」に収録)。サザン・ソウルの第一人者と言えるオーティスによるカバーが、リズム&ブルースやソウルを自らの音楽的ルーツと公言してきたミックとキースにとって、その自尊心を大いにくすぐるものであったことは想像に難くない。
カバー・バージョンにおけるオーティスのボーカルが、原曲よりもかなりアップ・テンポでグルーヴ感にあふれるなど素晴らしい一面 を有することは否定できない。しかしながら、やや一本調子ぎみに歌い抜けるオーティスと較べると、原曲におけるミックのドラマティックなボーカルの表現力にはあらためて感心せざるを得ないとも思うのである。
「サティスファクション」は、ストーンズのアルバム「アウト・オブ・アワ・ヘッズ ("Out Of Our Heads")」のUSバージョンに収録されている。同名のアルバムは英国バージョン (1965年) も発売されているのだが、双方のアルバムに共通して収録された曲目は全体の半分ほどしかなく、英国バージョンの同名アルバムには「サティスファクション」は含まれていない。
英国においては、「サティスファクション」は1965年にシングルとしてリリースされた後、1966年に発表されたローリング・ストーンズのベスト・アルバム「ビッグ・ヒッツ ("Big Hits/High Tide And Green Grass")」に収録されることとなった。
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