ビートルズ特集
1958年に米国ニュージャージーで結成された黒人女性コーラスグループ。メンバーは、シャーリー・オーエンス、ビバリー・リー、ドリス・ケナー、エディ・ミッキ・ハリスの4人。
ハイスクールの同級生4人組によって結成されたシュレルズは、当初ポケロスと名乗るアマチュアのコーラスグループだったが、クラスメートの一人がその母親へ4人を紹介したことによってレコード・デビューへの道が開かれていく。クラスメートの母親とは、小規模ながら独立系のレコード・パブリッシング・カンパニー、タイアラ・レーベルを経営するフローレンス・グリーンバーグであった。グループ名をザ・シュレルズと改めた4人は、彼女の薦めにより同レーベルと契約し、デビューシングルの
"I Met Him On A Sunday" をリリースする。
デビュー曲はマイナーヒットにとどまったものの、この曲のリリースをきっかけにフローレンス・グリーンバーグはセプター・レーベルを立ち上げる。そして、このレーベルから1960年にリリースされた
"Will You Love Me Tomorrow" が、女性コーラス・グループとしては史上初の全米チャート第1位
に輝く成功をもたらし、シュレルズの最大のヒット・ナンバーとなった。
"Will You Love Me Tomorrow" は、デビュー当時のビートルズがソングライター・チームとしての目標に掲げたジェリー・ゴフィン&キャロル・キングのコンビによる作品である。作曲者のキャロル・キングが自身のアルバム「つづれおり
("Tapestry")」(1971年リリース) の中でセルフ・カバーしているほか、ベン・E・キングや元トラフィックのデイブ・メイソンなど数多くのミュージシャンによるカバー・バージョンを生んだソウル、ロックナンバーの名曲として名高い。
その後もシュレルズは、主にブリル・ビルディング* のソングライター・チームから楽曲の提供を受けながら、"Boys" (1960年)、"Mama Said" (1961年)、"Baby It's You" (1962年) といったヒット曲を生み出していく。ゴスペルやR&Bをそのルーツに持つシュレルズ・サウンドの影響は、米国のみならず英国のボーカルグループに対しても顕著となり、ビートルズがそのデビューアルバムに前記の "Boys" と "Baby It's You" の2曲を収録しているほか、マンフレッド・マンによる "Sha La La" のカバー・バージョンがイギリスでヒットしている。
(* ブリル・ビルディングとは、アル・ネビンズと、コニー・フランシスのマネージャーとしても知られるドン・カーシュナーの二人によって1958年に創立されたアルドン・ミュージックが入居していたビルの名前である。ゴフィン&キングのほか、"Baby It's You" の作者の一人であるバート・バカラック、ニール・セダカなど、アルドン・ミュージックと専属契約していたソング・ライター達が作り出す60年代前半の人気ポップ・ソングの総称として「ブリル・ビルディング・サウンド」あるいは「ブリル・ビルディング・ポップ」という表現が用いられた)
シュレルズの全盛期は明らかに1960年代の前半であり、とりわけ70年代以降においては目立った活躍を続けてきたとは言い難い。しかしながら、シュレルズの作り上げたボーカルやサウンドのスタイルが、後発の女性コーラス・グループに与えた影響は軽視できるものではなく、シュレルズは、1996年にロックの殿堂入り (the Rock And Roll Hall Of Fame) を果たしている。
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